歯周病が命取りに!?静かに健康をむしばむ生活習慣病の恐怖

「歯周病=口腔内のトラブル」と思っていませんか? もちろん間違いではありませんが、歯周病は、口腔内にとどまらず全身にさまざまな健康被害をもたらします。実は歯周病は、糖尿病や高血圧症と同じように生活習慣病のひとつであるにもかかわらず、その恐ろしさはあまり認知されていません。そこで、命取りにもなりかねない歯周病の恐怖と、早期発見に役立つ歯周病のおもな症状についてお伝えします。

ほとんどの人が歯周病!?

歯周病というと他人事に感じる方も多いかもしれませんが、私たち日本人の多くは歯周病にかかっているといわれています。実は15〜24歳の若者であっても約70%、歯周病の割合がもっとも高い55~64歳で約84%の人の歯ぐきに炎症が発見されたというデータもあります。

特に若年層では、口腔内のトラブルに悩む機会も少なく、危機感が薄れやすいものです。しかしこのデータを見ると、若いうちからしっかりとケアしておく必要があることがわかります。

糖尿病や脳梗塞も……さまざまな病気を引き起こす生活習慣病

歯周病は糖尿病や高血圧症と同じように、生活習慣病のひとつ。毎日の食事や生活習慣によって発症・進行していきますが、初期段階では自覚症状を感じにくいのが特徴です。そのため、歯周病は「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれています。なんとも穏やかでない表現ですが、歯周病はそのように呼ばれるほど恐ろしい病気ということ。では、その恐ろしさに迫ってみましょう。

歯周病菌が腫れた歯ぐきなどから体内に侵入すると、全身に回ってさまざまな影響を与えます。そして、糖尿病や高血圧症、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、誤嚥(ごえん)性肺炎などの命に関わる病気を引き起こすこともあります。特に、糖尿病との関連性が深いことがわかっており、糖尿病の人は歯周病にもかかっているケースが多いようです。また、このような方は、歯周病の治りが悪いともいわれています。

心当たりはありませんか?歯周病のおもな症状

歯周病治療では、早期発見が重要です。歯周病のおもな症状をご紹介します。

  • 起床時に口腔内がネバネバする
  • 歯みがきで出血する
  • 歯ぐきに赤く腫れた部分がある
  • 歯ぐきがムズムズする、痛い
  • 口臭が気になる
  • 歯ぐきがやせた
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
  • 歯が伸びたような気がする
  • 歯がぐらつく
  • 歯ぐきからウミが出る

以上の症状に心当たりがある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

歯周病の進行

最初のうちは、たまに歯ぐきが赤く腫れたり、歯ブラシに少し血がついたりする歯肉炎を起こす程度かもしれません。これらの症状はすぐに治まるため、放置してしまいやすいですが、歯周病はどんどん進行してしまいます。

歯周病の初期では、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)ができますが、自覚症状は感じにくいでしょう。中期には、歯ぐきに目立った変化が表れ、ブヨブヨになったり硬いものが噛みにくくなったりと、日常生活に支障が生じ始めます。食べ物が歯に挟まりやすい方や口臭が気になる方も、歯周病が進行している可能性があるでしょう。さらに末期になると、歯の根がむき出しになってぐらつきが起こり、やがては抜け落ちてしまいます。

早めに治療を行うことで、歯を失わずにすむ可能性が高まります。該当する症状があった方は、歯科医師に相談してみましょう。

歯と健康のために早期発見・治療を

歯周病は口腔内のトラブルだけでなく、命に関わる恐ろしい病気の数々を引き起こします。サイレントキラーと呼ばれる歯周病は自覚症状を感じにくいですが、進行を防ぐためにも早期の発見が大切です。ご紹介した症状に心当たりがある場合は、歯科医師に相談し、将来の歯と健康のために早めの治療開始をおすすめします。