シチュエーション別!コーチングを活用した新人スタッフの教育法

注意したらすぐにふてくされてしまう、まったく仕事を覚えてくれない、すぐやめてしまう……など、新人スタッフの教育に困ったり悩んだりしたことはありませんか?歯科医院の経営にとって、技術力やコミュニケーション力が高い優秀なスタッフの育成は重要ですが、新人の教育もとても大切です。

今回は、コーチングの要点を説明したうえで、経営者や先輩が新人スタッフを指導するときのポイントを、具体的な会話例を挙げながら解説します。

コーチングとは?

コーチングとは、アメリカで誕生した“目標達成のためのコミュニケーション方法”です。その概念をわかりやすく説明すると、「相手が目標達成のために必要な答えに自ら気付いて、行動できるように導くこと」です。
リーダーシップを発揮するため、ビジネスの現場において有益な方法であるといわれてきました。近年では、医療現場でも積極的に取り入れられています。医療スタッフと患者さん、スタッフ間のコミュニケーション、後輩やスタッフの指導や部下のマネージメント法としても活用できます。それでは、医療現場で起こりがちな具体例をもとに、応用方法を紹介しましょう。

CASE1 相手の本音を探りたいとき:良い聴き手になる

病院にやってきたばかりの新人スタッフが、元気がなさそうにしています。心配した先輩スタッフが「悩みがあったら話してみて」と声をかけたところ、新人は「患者さんに嫌な顔をされてしまった」と言います。先輩が「大丈夫、新米の頃は誰でも通る道だから!」と明るく励ましたところ、新人は黙りこくってしまい、本音が分からなくなってしまいました。

ポイント! 話を聴くときは十分な「うなずき」や「相づち」を

相手の本音を探りたいときには、良い聴き手になることを心がけます。味方であることが伝わるように明るい表情や声のトーンを意識し、目を合わせます。相手が少しでも話してくれたら、すぐにアドバイスをしようとするのではなく、うなずく・相づちをうつなどして、話の続きを促します。人それぞれ、ものさしは異なります。信頼関係を築くためには、「自分もそうだった」「誰も同じ」など、自分の経験や意見を押しつけすぎないことが重要です。

CASE2 相手の仕事が遅いとき:「対策」を自分で考えさせる

新人スタッフは、仕事のペースが遅く、時間内に作業を終えることができません。先輩スタッフが「タイマーを持ち歩いて時間管理をしたらどうか」と提案したのですが、新人にはピンと来ていないようで、改善の気配が見られません。

ポイント! 「どんな工夫ができるか」を尋ねる

「本音の探り方」でも触れましたが、人それぞれものさしが違います。新人は一生懸命やっているのに否定された気持ちになり、傷ついたのかもしれません。こうした場合は、「仕事を丁寧にしたいという気持ちは分かった」と相手を認めたうえで、「でも、スタッフや同僚に迷惑がかかる可能性もある。そうならないように、どんな工夫ができるか」と自ら考えさせるような質問を投げかけることが必要です。

CASE3 相手が失敗したとき:「失敗」だけを注意する

仕事に慣れてきたように見えていた新人スタッフが、患者さんに必要な薬を間違えるというアクシデントを起こしてしまいました。先輩スタッフに開口一番、「あなたは簡単な仕事だと雑になってしまう」と叱られて、新人は落ち込んでしまいました。

ポイント! 「YOU」ではなく「I」メッセージで話す

新人スタッフが失敗したら注意しなくてはなりませんが、その方法を間違えると、相手が委縮してしまう可能性もあります。まずは「詳しい状況を聴かせて」と、相手の事情や言い分を聴き、事実を確認します。そのうえで、相手に苦言を呈したり、ミスを注意したりしましょう。その際には、「問題となっている物事を話題にし、その人全体を非難しない」ことが重要です。
話し方のコツは、「あなたは~」といったYOUメッセージではなく、「私は~」というIメッセージを用いること。例えば、「簡単な仕事をするときでも雑にならないように気をつけてもらえると、私も安心だな」といった声かけをすれば、新人も素直に意見を受け入れる気持ちになることができます。

相手の潜在能力を引き出す教育法

このように、コーチングを活用したコミュニケーションを取り入れると、新人スタッフの「やる気」をそぐことなく、自分から前向きに仕事に取り組んでくれるようになります。相手の潜在能力を引き出せるよう、新人スタッフを教育する側も、指導するときの話し方には十分注意しましょう。

いかがでしたか?スタッフの教育は歯科医院の課題の中でも大きなウエイトを占める課題の一つであると多くのドクターからお聞きします。タカラベルモントでは、医院づくりの一つの課題として、先生と一緒にこれからのスタッフ教育について考えさせていただきます。いつでもお気軽にお声掛けください。