患者さんから問題点を聞き出す「オープンクエスチョン」&「傾聴」を実践しよう

コミュニケーションは、トラブルを防ぐうえで大切な行為です。歯科治療の際も、医師と患者さんとのコミュニケーション不足が、思わぬトラブルにつながることは少なくありません。しかし、患者さんが、医師に向かって自分の抱える不調について的確に説明したり、治療に関する希望をはっきりと伝えたりするのは、なかなか難しいもの。そこで今回は、歯科医師が患者さんから本音を聞き出すトークのコツを解説します。

話は「オープンクエスチョン」で切りだす

歯科医師が患者さんを前にしたとき、まずはあいさつから始めて、次に歯や口腔内の具合、治療の経過などを尋ねましょう。ここで大切なのは、「クローズドクエスチョン(クローズ型質問)」ではなく、「オープンクエスチョン(オープン型質問)」で尋ねることです。前者は「はい」「いいえ」で、答えが終わってしまうもの。一方で、後者は「はい」「いいえ」では答えられない質問です。

会話を広げて本音を導く「オープンクエスチョン」

たとえば、「先週、治療した(歯の)詰めものは合っていますか?」という質問には、患者さんは「はい」か「いいえ」で答えるため、そこから会話が広がっていきません。これが「詰めものの具合はいかかですか?」という質問だと、患者さんは自分の言葉で、状態を説明しようとします。結果として、クローズドクエスチョンとは比較にならないぐらいの情報量を引きだすことができるのです。歯科医師の側も、「詰めものは合っているようだが、もう少し削ったほうがいいかもしれない」「詰めものが合っていなくて、痛みが出ているようだ」などの予測が可能となります。

話を聴くときは何よりも「態度」に気をつける

オープンクエスチョンを心がけていても、患者さんに話してもらえないという場合があるかもしれません。そういうときは、言葉よりも「非言語メッセージ」に重点を置いて、患者さんが話しやすい雰囲気を作るように努力しましょう。

患者さんが話しやすくなる態度を心がけて

「非言語メッセージ」とは、表情や視線、あいづちやうなずき、姿勢や体の向きのことです。せっかく質問内容に気を配っていても、腕を組んだり両手を腰に当てたりしているとやや威圧的に見えてしまいます。基本的には、自分の体を患者さんにわずかに傾けて、少し笑みを浮かべた優しい顔つきで、しっかりうなずきながら話を聴くという態度が好まれます。

特に注意したほうがいいのは、視線です。目を逸らしたまま話すのは非礼にあたりますが、強い目つきで凝視するのも、患者さんを緊張させてしまいます。対面で話していて、患者さんが話しづらそうなときには、少し視線を外してみてください。

患者さんから出てきた言葉をオウム返しにする

オープンクエスチョンによって、患者さんから出てきた答えが重要なことである場合、自分流に解釈して言い換えずに、「オウム返し」にして確認するようにします。せっかく患者さんが話してくれたのに、歯科医師が自分流に解釈してしまったら、患者さんは不本意であっても「先生の言うことだから……」と、適当に頷いてしまう危険があります。

たとえば、抜歯後の具合を尋ねられて、「まだ少し痛みがある」と答えた患者さんには、「抜歯後、しばらく痛いことはよくあることですよ」と答えてしまわずに、「まだ少し痛いのですね。痛みはずっと続いていますか?」など、次なるオープンクエスチョンで話を深めていきましょう。

コミュニケーションを深めてトラブル防止

歯科医師に遠慮して、自分から問題点や悩みを切り出せない患者さんも数多くいます。ですから、患者さんに対する先入観を持たずに、毎回、治療を始める前に、気軽に「オープンクエスチョン」をして、現状を尋ねることが重要です。ちょっとした会話の時間を作るだけで、患者さんとのコミュニケーションはぐっと深まり、結果的にトラブルも減ります。

いかがでしたか? タカラベルモントでは、先生と一緒にこれからの医院づくりについて考えさせていただきます。いつでもお気軽にお声掛けください。