歯科レントゲンの重要性を知っていますか?

さまざまな医療現場で利用されているレントゲン。歯科治療においても、レントゲンを撮る場合があります。その目的は、歯の中がどのような状態になっているかを詳しく知ること。でも、本当に必要なのでしょうか?また、身体を撮る一般のレントゲンと、どんな違いがあるのでしょうか?

今回は、歯科治療におけるレントゲンについて考えます。

そもそも、レントゲンとは?

レントゲンとは、X線を発見したドイツの物理学者の名前です。X線は物質を通過する能力を持ち、空間を伝わる電磁放射線のことです。日本では、発見した人の名にちなんでレントゲンといいますが、英語ではX-ray(X線)と呼ばれます。

人間の骨は密度が高く、カルシウムをたくさん含んでいます。カルシウムはX線を透過しにくいため、その部分が白く写ります。一方、筋肉や肺などはX線が通過してしまい、フィルム写真には黒く写ります。こうした性質を利用して、体内の異常を見つけるのがレントゲン検査です。

歯の治療には、どんな必要性があるのか?

では、歯の場合はどうなのでしょうか?歯も骨と同様に、高密度のカルシウムでできているため、X線が透過しにくいのです。もし、そこに虫歯があれば、X線はそこを通過するため、黒く写真に写ります。歯周病も、内部の骨の状態を見ることで、どのくらい歯周病が進んでいるかを診断できます。

つまり、歯科医師は、目に見えない歯の内部で何が起きているか、また、トラブルの大きさや深さなどをレントゲンによって細かく知ることができるのです。

歯の撮影方法には何種類かありますが、ここでは一般的によく使われる2つの撮影方法をご紹介しましょう。

1. 口内法(デンタル)撮影

口の中にフィルムを入れて、口の外側からX線を照射して撮影する方法です。部分的に詳しく見るための撮影方法です。

デンタル1.jpg

2. パノラマ撮影

上下の歯全体を映し出すレントゲン写真。歯全体の状況を一枚の写真で見ることができます。パノラマ.jpg

 

レントゲンの人体への影響はある?

私たちが暮らす自然界や生活のなかでも、宇宙や土壌、食べ物、テレビなど、放射線はあらゆるところから出ています。それらを合わせた放射線に比べると、歯科レントゲンから放射される放射線は、ごくわずかな量でしかありません。

たとえば、1年間に受ける自然界の放射線の値は、日本では1.5ミリシートベルト(人体に与える放射線の影響単位)。また、東京とニューヨーク間を1往復すると、0.2ミリシートベルト程度だといわれています。デンタル撮影で受ける放射線量は、1枚0.01ミリシートベルト程度と非常に少ないのです。

また、歯科医院では、レントゲン撮影のときに、患者さんは放射線を通さない鉛のエプロンを着用して、胸や腹部など身体全体にレントゲンを浴びることを防いでいます。最近では、従来のレントゲンよりはるかに少ない被曝量のデジタルレントゲンも登場しています。

それでも、診察時には必ず、妊娠の有無を歯科医師に知らせ、気にかかる点を相談してからレントゲンを受けるようにしましょう。

歯科医師にきちんと相談しましょう

歯のトラブルを最小限にとどめるために、レントゲンは重要な役割を果たしています。どんなトラブルも小さいうちに見つけて治療をすれば、費用も安く、痛みも軽くすみます。レントゲンを撮らずに、そのまま歯を放置して、大きなトラブルになることもあります。

歯科医師が必要であると判断したときは、むやみに怖がったり嫌がったりせずに、心配なことはきちんと相談して説明を受けましょう。