よく噛む人はガンにならない?噛むことの3大効用

「噛む」という行為は、食べるためだけのものではありません。よく噛むことによって唾液がたくさん分泌されると、口の中がきれいになる効果も期待できます。さらに、昨今では、全身の健康にたいへん重要な働きをすることも分かってきています。今回は、よく噛むことの3大効用とおすすめの噛み方をご紹介します。

よく噛むと太りにくくなる!「ダイエット効果」

まずご紹介したいのは、よく噛むことによる肥満予防、つまりダイエット効果です。よく噛まずに食べる「早食い」の人は太りやすくなるといいますが、なぜ、噛むことがダイエットにつながるのでしょうか。

噛んでいるだけで「お腹がいっぱい」になる?

よく噛むと、私たちは満腹を感じやすくなります。というのも、噛むという行為によって、脳には「神経性ヒスタミン」という物質が作られて、それが満腹中枢を刺激するからです。そのため、少量でもよく噛んで食べるとお腹がいっぱいになり、食べる量が少なくてすむようになります。

食べる量が減ると、活動エネルギーの不足を体脂肪から補おうとします。内臓についている脂肪は、たまりやすく放出されやすいという特徴を持っているため、その分解が促進されます。つまり、よく噛むことによって、結果的には、体脂肪を減らすことができると考えられているのです。

よく噛むとガンにならない!「ガン予防効果」

次にご紹介するのは、ガンを予防する効果です。噛むことにそんなすごい効果があるのかと驚かれるかもしれませんが、きちんと科学的な理由があります。

唾液に含まれる酵素が発ガン性物質の作用を抑える?

唾液に含まれるペルオキシダーセという酵素には、食品の発ガン性物質の作用を抑える働きがあるといわれています。その効果を発揮するためには、口にした食品を30秒以上、唾液に浸すのが必要なのだとか。「ひと口で30回以上」を目安にしっかりと噛むことで、ガンを防げる可能性があるのです。

よく噛むと脳が活性化する!「脳のアンチエイジング効果」

さらに、よく噛むことは脳にもよい影響をもたらします。脳を活性化させて学習能力や記憶力を高めるだけでなく、高齢者の認知症予防にも役立ちます。

噛むことが「海馬」の働きを助ける?

あごを開けたり閉じたりする「噛む」という行為は、脳に酸素と栄養を送り、脳の機能全般を活性化します。なかでも、あるマウス実験によると、特に短期記憶を司る海馬の活動を助けることが明らかになっています。

また、マウス実験において噛み合わせを修復すると、機能が回復したというケースも報告されています。脳にはまだ解明されていないことがたくさんありますが、噛むことが脳によい影響を与えていることは確かなようです。

「グラインディング型」という噛み方がおすすめ

ここまで、噛むことの効用がいかに大きいかをご説明してきましたが、最後におすすめの噛み方をご紹介します。

奥歯で食べものをすりつぶして食べよう

おすすめの噛み方は、垂直な力と水平な力がバランスよく加わっている「グラインディング型」の噛み方だといわれています。この噛み方ができる人は意外と少なく、犬のように上下の歯をカチカチとあてるだけの「チョッパー型」や左右どちらかの方だけで噛む「片噛み型」など、人によって癖があるものです。

グラインディング型の噛み方をすると、奥歯で食べものをすりつぶして食べることになり、早食いになりません。また、左右のバランスがよいため、顔やあご周りの筋肉の発達も均等になり、良い噛み合わせが持続しやすくなります。

噛むことが全身の健康につながる

噛むことには、ご紹介したダイエット、ガン予防、脳の活性化のほかにも、胃腸の働きや免疫力がアップするなどの効用があると報告されています。ここまでくると、噛むことはお口の中だけの問題ではなく、全身の健康と関係しているといえます。日々の生活で実践できることですから、噛み方を意識して、よく噛むことを心がけましょう。

 

参考:

噛む8大効用|自分の歯とお口を守る基礎知識|8020推進財団

第5話 だ液が「がん」を予防|歯は健康の源(十勝歯科医師会)

「噛むチカラ」を活かして健康長寿を目指す|日本歯科衛生士会