歯科医師が知っておきたい消費税のしくみ

歯科医院における消費税のしくみをご存じでしょうか。保険診療報酬の比率が高い医療機関が多いため、消費税はあまり関係ないという認識をお持ちかもしれませんが、歯科医院が消費税を納付しなければならないケースもあるのです。今回は、歯科医院が知っておくべき消費税のしくみについて解説します。

一般的な消費税のしくみ

消費税は、消費一般に課税される間接税です。国内における商品の販売やサービスの提供などを課税対象とし、2017年10月時点では、8%(うち1.7%は地方消費税)の税率で課税されています。

消費税を負担するのは事業者でなく消費者

消費税は、事業者ではなく消費者が負担するものです。生産から流通の各段階で税が何重にも課されると、消費者の負担が大きくなってしまいます。そこで、課税売上にかかる消費税額から、課税対象となる仕入れ等にかかる消費税額を控除し、税が累積しないようなしくみになっています。

例えば、事業者が仕入れ時に10,000円の消費税を支払い、消費者への販売時に20,000円の消費税を受け取った場合は、20,000円‐10,000円=10,000円を納税します。
一方で、仕入れ時に20,000円の消費税を支払い、消費者への販売時に10,000円しか消費税を受け取らなかった場合は、10,000円‐20,000円=‐10,000円となるため、事業者には10,000円が還付されます。

歯科医院における消費税のしくみ

歯科医院を含む医療機関で行われる医療の大半は、公的医療保険でカバーされる保険診療なので、消費税法上の非課税取引に当たります。そのため、保険診療の場合は歯科医院が患者さんから消費税を徴収する必要はありません。

診療報酬や薬価には消費税が含まれている?

歯科医院が医薬品を仕入れるときは、消費税込みの金額で購入しています。しかし、歯科医院は患者さんから消費税を徴収することができません。そこで、歯科医院が消費税を実質的に負担することのないように、診療報酬や薬価には仕入れに際して支払う消費税に応じた上乗せ措置が行われています。

知っておきたい!歯科医院が支払うべき消費税

以下のような課税対象の収入については、歯科医院も消費税を負担する必要があります。

  1. 公的医療保険の適用外となる自費診療
  2. 歯ブラシ等の販売収入、事業用固定資産の売却収入、不動産の貸付収入など

こうした課税対象の収入が1,000万円を超えた場合は、2年後から消費税の納税義務が生じます。課税対象収入が5,000万円以下の場合は、一般課税と簡易課税から有利なほうを選択することができます。

一般課税と簡易課税のどちらが有利か?

一般課税では、課税売上にかかる消費税額から、課税対象の仕入れ額にかかる消費税を控除した残額を納付します。ただし、保険診療報酬は非課税売上となり、課税売上割合を考慮して按分計算が行われます。

例えば、課税売上が1,500万円、非課税売上が3,500万円、課税仕入れ額が2,000万円とした場合、全売上に対する課税売上の割合は30%になります。このとき消費税は、課税売上1,500万円×8%-課税仕入れ額2,000万円×8%×30%=72万円となります。

一方、簡易課税では、実際の金額で課税対象の仕入れ額を計算するのではなく、5種類の事業区分ごとのみなし仕入率を適用して税額を計算します。歯科医院の場合、歯ブラシといった販売収入は第2種(仕入率80%、利益率20%)、固定資産や金属などの売却収入は第4種(仕入率60%、利益率40%)、自由診療収入や不動産の貸付収入は第5種(仕入率50%、利益率50%)に区分されます。

例えば、課税売上1,500万円がすべて第5種の場合、仕入率50%、利益率50%が適用されるので、1,500万円×8%-1,500万円×8%×50%=60万円となります。

一般課税と簡易課税のどちらが有利になるのかはケースバイケースのため、決算書をもとに試算しないとわかりません。課税対象の仕入れや経費が高額となる場合は、一般課税のほうが有利となる場合があります。

消費税の正しい知識を身につけよう

これまで消費税を支払う必要がなかった歯科医院も、経営状況が変われば消費税の納税義務が発生する場合があります。健全な経営を続けるためにも、消費税に関する正しい知識を身につけましょう。

いかがでしたか?タカラベルモントは先生と一緒にこれからの医院づくりについて考えさせていただきます。いつでもお気軽にお声掛けください。